芸術の都はパリからニューヨークへ

[ 投稿日時 :2015-08-17 14:41:30

14世紀のルネサンス以降、バロック、ロココ、新古典主義、ロマン主義、写実主義、そして印象派、ポスト印象派や抽象絵画へと発展していく近代美術の多くは、フランスのパリが中心でした。

「芸術の都」といったら長らくパリのことでしたが(今でもパリですが)、1940年代に新しい美術が、パリではなくニューヨークで生まれました。「抽象表現主義」と呼ばれる美術です。ニューヨークで生まれたので「ニューヨーク派」とも呼ばれていますが、全員がアメリカ人というわけではなく、第二次世界大戦の影響でヨーロッパの戦火を逃れた多くの芸術家が、ニューヨークを活動の場としたのです。

「ピカソ」といったら抽象画の代名詞的な存在であり、抽象画は「さっぱり意味がわからない」と感じる人も多いと思います。しかし実際に多くの人が感じる「価値を理解できない抽象画」は、このニューヨーク派の作品であることが多いのではないでしょうか。数億~数十億円の値で取引されるジャクソン・ポロックやマーク・ロスコ、バーネット・ニューマンの作品を、機会がありましたら一度観てみてください。

芸大生

一言:一言では語れない