進化し続ける日本画
[ 投稿日時 :2015-04-28 14:17:15 ]
日本画といえば、総じて“古典画”のイメージがありますよね。
例えば、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』はあまりにも有名です。日本画特有の構図や手法を用いて、荒々しくも美しい白波を見事に描写しています。 他にも人物画だと、菱川師宣の『見返り美人図』などが有名ですね。
こうした古典作品は、美しい色彩感と、力強くも繊細な描写で、西洋画にはない魅力を感じさせてくれます。歴史に残る名画家たちの中にも、このような日本画に影響を受けた人は少なくないと聞きます。そんな古典日本画は、後世に残していくべき宝物といえるでしょう。
ですが、実は日本画って、そうした古典画だけじゃないんですよ。
いまでは“現代日本画”と呼ばれるものも存在していて、中には、古典的な日本画の常識を覆すような作品もあるんです。それって、もう日本画とは呼べないんじゃないのと言われるかもしれませんが、紛れもなく日本画なんですよ。
そもそも日本画というのは“岩絵具”を使って描かれる絵画のことで、そこさえ抑えていれば、洋画とも大きな違いはないんです。ですから、洋画風の日本画というのも存在できるんですね。
もちろん、守るべき基本というものはあります。ですが、絵画とは、その時代その人の感性を表したものであり、うつろい続けるものです。時代が変わり、人々の感性が変われば、当然その姿は変わっていきます。
日本人の心を最もよく映す日本画もまた、日本人の変化とともに進化しているんですね。