美術館の将来

[ 投稿日時 :2017-10-18 14:46:39 ]

様々な芸術に触れるため全国各地の美術館を訪れてきましたが、数年前に訪れた美術館を、その土地に用事ができたので久しぶりに訪ねてみようとするといつの間にか閉館になっていた、ということが時々あります。

芸術を愛好する者としては大変寂しいことではありますが、国や県、市などで運営されている公立の美術館はもちろん、私設の美術館もなかなか厳しい状況に置かれている所が多いのかもしれません。趣味として美術に関心を持つ人はともかく、一般の大半の方にとっては美術館に絵画や彫刻などをわざわざ鑑賞しに行く、というのはまだまだ特別なことのように捉えられているのではないでしょうか。

たまに東京など大都市で大きな企画展が催されると普段あまり美術館に足を運ぶ機会のない方も大勢訪れて会場前に長蛇の列を作っている、ということもありますので、企画の内容次第、という面はあるかもしれません。

ちょうど芸術の秋ですので、お近くの美術館にまだ足を運んだことがなければ、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

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芸術の都はパリからニューヨークへ

[ 投稿日時 :2015-08-17 14:41:30 ]

14世紀のルネサンス以降、バロック、ロココ、新古典主義、ロマン主義、写実主義、そして印象派、ポスト印象派や抽象絵画へと発展していく近代美術の多くは、フランスのパリが中心でした。

「芸術の都」といったら長らくパリのことでしたが(今でもパリですが)、1940年代に新しい美術が、パリではなくニューヨークで生まれました。「抽象表現主義」と呼ばれる美術です。ニューヨークで生まれたので「ニューヨーク派」とも呼ばれていますが、全員がアメリカ人というわけではなく、第二次世界大戦の影響でヨーロッパの戦火を逃れた多くの芸術家が、ニューヨークを活動の場としたのです。

「ピカソ」といったら抽象画の代名詞的な存在であり、抽象画は「さっぱり意味がわからない」と感じる人も多いと思います。しかし実際に多くの人が感じる「価値を理解できない抽象画」は、このニューヨーク派の作品であることが多いのではないでしょうか。数億~数十億円の値で取引されるジャクソン・ポロックやマーク・ロスコ、バーネット・ニューマンの作品を、機会がありましたら一度観てみてください。

油絵を描く様子を映像で楽しめる

[ 投稿日時 :2015-06-02 11:16:54 ]

油絵を描くという事は油絵具を塗り重ねて描いていくということなので、以前にも描いた様に長い製作期間を求められる事になります。しかし、そんな油絵を30分で描く画家がいました。

彼の名前は「ボブ・ロス」、残念ながら1995年に故人となってしまいましたが、彼が出演したアメリカで放送されていたテレビ番組「ボブの絵画教室」がDVD化されているので、彼が30分で油絵を完成させるという魔法の様な時間を楽しむ事が出来ます。

番組の内容は30分の間にボブが1枚の油絵を完成させるというシンプルなものなんですが、ボブの油彩の画法に何度も驚かされます。まず、彼はキャンバスに下書きをしません。いきなり筆を走らせます。そして、始めは何を描いているのか解らない状態なんです。太い筆でダイナミックに描いた上に、細い筆で陰影を載せていくと、いつのまにかそこには彼の愛した自然の風景が描かれています。本当に不思議でなりません。

また、番組中ボブは視聴者にずっと話しかける形をとっていて、彼にしかできなさそうな技をいとも簡単に描いて「簡単でしょう?」と語りかけてきます。確かに作業としては難易度の高くない線を描く等なんですが、その構図の発想等はとても彼にしか出来ない様に思います。そして番組が終わる30分頃には、とても30分で描いたとは思えない様なクオリティの作品が毎回出来上がっています。

見ると絵心が無いからと絵から離れている人でも、きっと絵が描きたくなると思います。是非一度は見てみる事をオススメします。

進化し続ける日本画

[ 投稿日時 :2015-04-28 14:17:15 ]

日本画といえば、総じて“古典画”のイメージがありますよね。

例えば、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』はあまりにも有名です。日本画特有の構図や手法を用いて、荒々しくも美しい白波を見事に描写しています。 他にも人物画だと、菱川師宣の『見返り美人図』などが有名ですね。

こうした古典作品は、美しい色彩感と、力強くも繊細な描写で、西洋画にはない魅力を感じさせてくれます。歴史に残る名画家たちの中にも、このような日本画に影響を受けた人は少なくないと聞きます。そんな古典日本画は、後世に残していくべき宝物といえるでしょう。

ですが、実は日本画って、そうした古典画だけじゃないんですよ。

いまでは“現代日本画”と呼ばれるものも存在していて、中には、古典的な日本画の常識を覆すような作品もあるんです。それって、もう日本画とは呼べないんじゃないのと言われるかもしれませんが、紛れもなく日本画なんですよ。

そもそも日本画というのは“岩絵具”を使って描かれる絵画のことで、そこさえ抑えていれば、洋画とも大きな違いはないんです。ですから、洋画風の日本画というのも存在できるんですね。

もちろん、守るべき基本というものはあります。ですが、絵画とは、その時代その人の感性を表したものであり、うつろい続けるものです。時代が変わり、人々の感性が変われば、当然その姿は変わっていきます。

日本人の心を最もよく映す日本画もまた、日本人の変化とともに進化しているんですね。

彫刻の良さについて

[ 投稿日時 :2014-08-04 12:00:43 ]

芸術について常に考えている芸大生です。今回は彫刻の良さについて語ります。彫刻の良さは何より触り心地にあると思います。博物館や美術館に飾られている物は大切なものなので触ってはいけないものが多いのですが、彫刻に使用する素材の良さも感じてほしいです。

冷たい中にも鼓動を感じることが出来る芸術の楽しみは見て、触れて、感じることです。芸術の中では彫刻と言うものは理解されにくいのですが、大きな石を工具で削り上げて、立体を作るということ自体難しいことです。

細かな線を付けたり、傷をつけることで人の形を作り上げたり、物を形にすることが出来ます。大きさがあればあるほどその存在感は主張されて、人の心を揺さぶるものがあります。

意外とか細い女性がダイナミックな彫刻を作り上げていたりするので、恰好が良いです。作品が作者を表すと言いますが、心は熱い方だと思いました。まだまだ奥が深い芸術についてこれからも考えていきたいです。

油絵の良さって?

[ 投稿日時 :2014-07-19 13:59:17 ]

油絵の良さってみなさんどんなものだと思いますか?私は、味がある作品を作ることが出来るだけではなくそこにあたかもあるような作品が好きです。

芸術の中でも難度が高い油絵はキャンパスに炭で下書きをしてから、色を足していくのですが色を混ぜる工程から難しいです。油絵はなかなか乾かないので、作業もサクサクを進めることが出来ません。風景や人物、物を描くにしても、奥行きがあるようにしなければいけません。

芸術を語る上で忘れてはいけないことは、自分が納得できるかどうかです。色にも深みがあるように、影を作らなければいけないというところも気を付けなくてはいけません。美術館で飾られている油絵を見ていると、その場にいるだけで油の香りに包まれます。

そこにいるだけで作者の人と同じ空間を過ごしているかのような気分になり、描くだけではなく人の作品を見ることも大切だとわかりました。芸術の中でもレベルが高い油絵の技術を高くしたいと思いました。

ピカソの良さってなんだろ?

[ 投稿日時 :2014-06-17 09:57:34 ]

ピカソの良さというのは、彼のデッサン力からスタートして抽象画に到達するまでの芸術性の高さにおける変遷を見ることができる点にあります。

ピカソのような偉大な画家というのは、はじめから抽象画を書いていたわけではなく、美術展に足を運んでみると、初期の頃は緻密なデッサンで腕を磨いていたことがよく分かります。芸術性における変遷は、どの偉大な画家でも経験することではありますが、中でもその変遷が著しいのが彼なのであります。

子供の頃から絵を書いていた彼は、初期の絵を見てみるとデッサン力の高さが伺えます。芸術家の間では人と違うことばかりを強調する余り、デッサンという基礎力を疎かにしてしまう人も少なくありません。

よって奇をてらった抽象画というのはほとんど魅力がなく、また、そのような現代アートにも同じことが言えます。しかしながら、ピカソの抽象画というのは緻密なデッサンに基づいており、芸術性への昇華が著しいのです。

印象派ってちょっとむずかしい

[ 投稿日時 :2014-04-11 11:55:50 ]

芸術について考えている芸大の者ですが、印象派って聞くとちょっと難しいように思えますよね。印象派は19世紀にフランスで広まった絵画で、写実的に描くことより受けた印象を表現した作品になります。

作家の個性が強く表れるので、意見はわかれますが異彩な芸術家も多くいらっしゃいます。例えば、ルノアールや、モネ、ゴッホ、ピサロなど絵画を見ていると不思議な気持ちになったり、感情を揺さぶられるものが多いです。

芸術だけではなく、音楽や文学にも広がったという話を聞いたことがありますが、残念ながらそちらはあまり有名ではないようです。印象派の人たちの作品は病院や図書館など至る所で目にする可能性があるので、みなさん一度は見たことがあると思います。

自分も芸術の道を歩むものとして、印象派の作品を見習いたいです。印象派の作品を真似したくても難しいことので、自分の中の芸術を活かして新しい絵画に臨み、みなさんの心に残る作品を作りたいです。

芸大生

一言:一言では語れない